高齢者ドライバーの交通事故
自宅近くの交差点で横断歩道を青信号で歩行中に、車が停止せずに突っ込み、当たった弾みで数メートル飛ばされ転倒しました。
痛みで立ち上がることはできませんでしたが意識もあり、すぐに状況を把握することもできて、
運が強いのか体が強のか分かりませんが、ほぼ無傷でした。
高齢者ドライバーの前方不注意でしたが、そのドライバーも無傷でした。
新聞やテレビで高齢者ドライバーが加害者になる事故を知ると、
「加害者になる高齢者は最低」とか
「免許返納すべきだ」と
私も思っています。
被害者が命に関わる怪我を負っていれば尚更、加害者と被害者が逆だったら良かったのにとさえ感じることもあります。
もし、自分の子供が被害者になったら、高齢者であれどんな状況であれ加害者を許すことはできません。
私の場合、事故後の加害者の対応はとても誠意の伝わるものでした。
相手も怪我はありませんでしたが、心に傷を負っているのがひしひしと伝わりましたし、「まさか自分が…」と思っているのがとても感じられました。
謝罪に自宅を訪問してくれた時も、私が彼の家を訪ねた時も、たくさん話をしました。
その家族ともたくさん話をして、初めて、加害者になった高齢者の家族の気持ちも知りました。
加害者になったその高齢者には、看護師をしている娘がいて、
娘は人の命を救う仕事をしているのに、自分は人の命を奪うような行為をしてしまったことにとても後悔していて、反省してもしきれないことや
老夫婦2人暮らしの生活には車が欠かせないことなど
事故後の葛藤を教えてくれました。
確かに、私や彼の住んでいる地域は周辺には何もなく「買い物難民地域」と言われています。
そして高齢者率は40%と、車が必須な高齢者がたくさんいる地域です。
もちろん全てがそうだと限りませんが、今回私は初めて、事故を起こした高齢者ドライバーの背景の一部を知る機会を与えられ、考えさせられることがたくさんありました。
被害者にならないことも大切ですが、高齢者を加害者にさせないことも大切なんだと思います。
今回の事故は100%相手の過失であり、
「自分や家族や他人のために、もう二度と同じことが起きないように今後のことをしっかり考えて決断と行動をしてください」
と相手に強くお伝えしました。
同時に、
せめて
当たったのが私で、私は元気に生きているし、幸いにも車が当たっても身を守れる術が人よりは少しある相手だったことが彼の救いになれば…
とも思っています。
もちろんそれは、
被害にあったのは自分ひとりだから、
軽傷だったから、
命があったから、
相手が誠実に対応してくれたから、
だということはじゅうぶんに理解しているし、加害者に背景があるからと言って罪は許されませんし、相応の処罰は受けるべきですが。